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リン脂質とコラーゲンを組み合わせたプロテクトコラーゲンの独自開発

新素材開発

私たちは、肌の大部分を占めるコラーゲンがアンチエイジングにおいて特に重要と考えています。しかし、コラーゲンなどの水溶性成分は、角質層には浸透しにくいため機能性を充分に発揮できていないともいわれています。私たちは、この課題に取り組むことで、肌へのコラーゲンの浸透性を高めることができるのではないかと考え、研究を開始しました。

肌バリア機能と浸透について

肌のバリア機能とは、外からの異物侵入や体内の水分の蒸発、体液の漏出を防ぐ働きのことです。角質層における物質の通過しにくさに起因しています。角質層は、図のように、物理的・化学的刺激に対応する強固な膜で覆われた「角質細胞」の周りを、セラミドやコレステロールなどからなる「角質細胞間脂質」が満たしています。角質細胞の間を角質細胞間脂質が埋めることで、強固な壁を形成し、肌のバリア機能を発揮しています。細胞間脂質は、水と油の層が交互に重なったラメラ構造を持つため、脂溶性が高くコラーゲンなどの水溶性の成分は浸透しにくいといわれています。

肌のバリア機能に大切な細胞膜の主成分「リン脂質」に着目

私たちは、肌の中にあるコラーゲンやエラスチンなど、肌のハリや弾力を産み出す細胞の細胞膜を形成する主成分「リン脂質」に着目しました。リン脂質は、水と油の両方をなじませる性質(両親媒性)があります。また、肌のバリア機能に大切な角質細胞間脂質の前駆体として、肌を外的刺激から守るバリア機能の維持に重要な役割を担っています。私たちは、コラーゲンの肌への浸透をより高めるために、リン脂質が持つ性質に着目し、研究を進めました。

プロテクトコラーゲン、バリア機能を向上させることに成功

コラーゲンに水と油の両方をなじませる性質(両親媒性)を持つリン脂質を組み合わせることで、コラーゲンを肌の奥まで届けることができるような浸透効果が得られるのではないかと考え、研究に取り組みました。

その結果、肌なじみの良い「プロテクトコラーゲン」を独自開発することができました。コラーゲンとリン脂質を組み合わせることで、コラーゲンがより小さく均一になり、肌のすみずみまで行き渡ります。また、プロテクトコラーゲンによりバリア機能を向上させることに成功しました。

「プロテクトコラーゲン」によるバリア機能への影響を検証

下記の各テスト用ジェルをつくり、バリア機能向上の検証を行いました。

  • プロテクトコラーゲン配合
  • 一般的なコラーゲン配合
  • 無塗布

研究1. ジェルを6週間継続して使用した肌の水分蒸散量を測定

プロテクトコラーゲン配合のジェルは、水分蒸散量が小さく、他のジェルに対して肌が水分を保持できていることが確認できます。

研究2. 角層細胞を染色し、角質細胞の状態を測定

プロテクトコラーゲン配合の角質細胞では、角質細胞が均一に配列し、重層剥離は見られません。この図によって、肌のバリア機能が向上している状態だとわかります。

独自のプロテクトコラーゲンを開発

プロテクトコラーゲンは、リン脂質とコラーゲンを組み合わせた独自のコラーゲンです。水溶性のコラーゲンを細胞膜の構成成分であるリン脂質と組み合わせることで、バリア機能を高めることに成功しました。私たちは今後も、お客さまのお悩みを解決するために、機能性の高いコラーゲン原料の研究開発に取り組んでまいります。