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肌に最適なスキンケア方法とは? 肌本来の機能に着目したシンプルケアを提案

生体バリア研究

肌の強さと美しさを効率的、効果的に引き出すために、大切なケアの1つとして肌のバリア機能を高めることがあります。バリア機能を高めるには、水分や有効な成分を与えるなどのケアを行う一方で、バリア機能の低下を防ぐことも重要であると考えています。新日本製薬は、お客さまを美しいお肌へと導くため、バリア機能の低下を防ぐ最適なスキンケア方法の提案に向けて研究を開始しました。

新日本製薬が考えるバリア機能低下の要因とは?

肌は表面から「表皮」「真皮」「皮下組織」の3つの層に分かれおり、表皮の最外層である「角質層」は、紫外線や乾燥、異物の侵入などの外部刺激を防ぐことに加え、内側に蓄えている水分が逃げないようにする機能を持っています。このことを肌のバリア機能といい、バリア機能が低下するとシワやシミなどのお肌悩みが生じやすくなってしまいます。
バリア機能が低下する要因は、紫外線や乾燥をはじめとした外部刺激であると知られていますが、新日本製薬は一般的な外部刺激に加え、日常における“過度なケア”によってもバリア機能が低下するのではないかと考えました。そこで、ケアをする方法によってバリア機能への影響に違いがあるのではないかという2つの仮説のもと、検証しました。

仮説➀
アメリカの皮膚科学会は洗顔方法として、「ごしごし擦ることは皮膚の刺激になるため、避けるようにしましょう*」と呼びかけており、物理的刺激が大きいほど肌のバリア機能が低下するのではないか。

仮説➁
保湿について、一般的に“ケアの時間が長く水分を与えるほど良い”というイメージがあるが、お風呂に長時間浸かっていると肌がふやけ、バリア機能が低下し乾燥を引き起こしてしまうことから、一定時間以上、肌に水分を与えすぎてしまうとバリア機能に影響を及ぼすのではないか。

“過度なケア”について、肌のバリア機能への影響を検証

研究1. 物理的刺激によるバリア機能への影響を検証

仮説➀の検証として、物理的刺激が大きい群 (クレンジング、洗顔でケア)と物理的刺激が小さい群(オールインワン洗顔*でケア)で、水分量と水分蒸散量の変化率を比較しました。

*・・・クレンジングと洗顔機能を持つ製剤

水分量については、物理的刺激が大きい群と小さい群の間に有意な差は見られませんでした。水分蒸散量については、物理的刺激が大きい群と小さい群を比較すると、小さい群で10分、30分後における水分蒸散量の変化率の有意な減少が認められました(p<0.05)。

水分蒸散量の変化率が小さいと、肌から水分が逃げにくい状態であることを示しており、潤いが保たれていると考えられます。このことから、物理的刺激が小さい群のほうがバリア機能を維持できる可能性があるとわかりました。

研究2.ケアをする時間の長さによるバリア機能への影響を検証

仮説➁の検証として、美容液を浸み込ませた不織布を皮膚にのせ、水分蒸散量の変化率を比較しました。

美容液を浸み込ませた不織布を皮膚にのせ保湿することで、いずれにおいても、塗布前の状態である100%より肌の水分蒸散量は低下しており、バリア機能が高くなっていると考えられます。そのような中、塗布10分以下を基準として30分、60分の水分蒸散量を比較した場合、30分、60分と長時間塗布したほうが水分蒸散量の有意な増加が認められました(p<0.05)。
このことから、肌のバリア機能は、水分を与える時間に比例して高まるわけではないことがわかりました。そのため、時間に考慮したケアをすることで、バリア機能が高まる可能性があると考えています。

シンプルケアは肌本来の機能を高める

検証の結果、物理的刺激が小さいほうが、肌のバリア機能を維持しやすいことがわかりました。また、ケアをする時間の長さによって、バリア機能への影響に違いがあることがわかりました。以上より、物理的刺激の大きさや時間などを考慮した、最適なケアをすることで、肌のバリア機能がより高まる可能性があると考えています。

新日本製薬は、シワやシミなど、お客さまのお悩みの原因となるバリア機能の低下を防ぎ美しいお肌へと導くため、オールインワンをベースとしたシンプルケアを提案しています。今後も、お客さまの日常に寄り添いながら、お肌悩みの解決につながるご提案をするため、研究開発に取り組んでまいります。