薬用植物ムラサキの花から発見した乳酸菌を活用し、新素材「ムラサキ発酵コラーゲン」を開発
新素材開発
多くの女性がエイジングケアに関心があるといわれる中、美と健康の領域で「新しい」価値を提供している新日本製薬は、薬用植物ムラサキの機能性が、肌の土台となるコラーゲンにおいて有用だと考えています。今回、薬用植物ムラサキから採取した乳酸菌とコラーゲンを組み合わせることで、お客さまの肌悩みを解決する機能性の高い新素材をつくりだすことをめざし、研究に取り組みました。
薬用植物ムラサキとは
ムラサキは、栽培が困難で絶滅危惧種に指定されている希少な植物です。根の部分である「紫根」は、創傷治癒の促進作用や抗炎症作用などの機能を持つため、江戸時代から、ひび、あかぎれ、外傷を治す漢方薬「紫雲膏」に用いられています。私たちは、「紫根」の機能性がエイジングケアに期待できると考え、2006年から研究を開始し、栽培方法の確立、機能性・効果の確認、素材化を実現してきました。
「紫根」から抽出した紫根エキスが肌へもたらす効果として、コラーゲンを産み出す線維芽細胞の増殖効果やコラーゲンの分解を阻止する機能を確認しています。また毛髪にも、毛乳頭細胞の増殖作用により、育毛に効果が期待されることを発見しています。
ムラサキ、カンゾウ、トウキなどの薬用植物から、40種類の独自乳酸菌を発見
私たちが研究に力を入れている薬用植物から、お客さまの肌悩みを解決できる新たな可能性を見いだしたいと考え、健康分野でも注目度が高い乳酸菌に着目。広島大学 大学院医系科学研究科(薬)杉山 政則教授との共同研究※により、ムラサキ、カンゾウ、トウキなどの薬用植物の様々な部位から40種類の乳酸菌を発見しました。
※ 共同研究で、各種薬用植物から乳酸菌を採取し学名を決定
ムラサキの花由来の乳酸菌でコラーゲンを発酵させることに成功、「ムラサキ発酵コラーゲン」が誕生
日本で古くから親しみのある味噌、納豆、漬物、ヨーグルトなどの発酵食品は、食材を「発酵」させることで栄養成分が増え、新しい機能性が加わるなど、人の美と健康に有益な食品として知られています。この「発酵」の力を化粧品に応用できるのではないかと考え、ムラサキやカンゾウから採取した乳酸菌でコラーゲンを発酵させる素材開発に着手しました。
研究を重ねた結果、コラーゲンを発酵させることに成功。特に、ムラサキの花から取り出した乳酸菌でコラーゲンを発酵させると、未発酵のコラーゲンよりもアミノ酸量を多く含むこと、またヒアルロン酸産生効果が高まることが確認できました。約3年の研究を経て、ムラサキの花由来の乳酸菌を活用した新たなコラーゲンとして「ムラサキ発酵コラーゲン」が誕生しました。
薬用植物ムラサキの花
「ムラサキ発酵コラーゲン」の機能性
研究1.アミノ酸量の検証
アミノ酸は、角質層の水分を保つうえで重要な天然保湿因子(NMF)の大半を構成する成分です。また、肌のハリや弾力を維持する役割を持つコラーゲンを生成するために必要な材料でもあります。「ムラサキ発酵コラーゲン」は、乳酸菌の発酵させる力で、コラーゲンを細かくしています。その結果、アミノ酸量が豊富になり、未発酵のコラーゲンと比べて総アミノ酸濃度が約1.7倍高まることを確認しました。
「ムラサキ発酵コラーゲン」のアミノ酸の種類をそれぞれみると、天然保湿因子(NMF)を構成するセリン、グリシン、アルギニン、アラニンの量の増加が確認できました。また、コラーゲン特有のアミノ酸である「ヒドロキシプロリン」も約4倍に増加しています。
研究2.ヒアルロン酸産生効果の検証
[試験方法] 正常ヒト真皮線維芽細胞を24時間培養。培養後、未発酵コラーゲン、ムラサキ発酵コラーゲンを
添加してさらに48時間培養。その後、培養上清中のヒアルロン酸量を測定。n=4
ヒアルロン酸は、肌に水分を蓄えるために重要な成分です。肌の若々しさを保つためにはたらく線維芽細胞に、各コラーゲンを添加しその後の変化を観察する実験で、「ムラサキ発酵コラーゲン」は未発酵のコラーゲンと比べて、ヒアルロン酸産生量が約1.1倍増加し、ヒアルロン酸産生効果の向上を確認しました。
「ムラサキ発酵コラーゲン」で
お肌悩みを解決し、笑顔あふれる毎日をお届けしたい
女性の肌悩みを解決するため、エイジングケアにおいて特に重要だと考えるコラーゲンと薬用植物ムラサキを組み合わせた、新しいコラーゲンの開発に取り組みました。その結果、約3年の研究を経てムラサキの花由来の乳酸菌でコラーゲンを発酵させた「ムラサキ発酵コラーゲン」を開発。未発酵のコラーゲンに比べて肌の保湿力や弾力性向上などの美容効果が期待できることを確認しました。
「ムラサキ発酵コラーゲン」を化粧品へ活用することで、お客さまに笑顔あふれる毎日をお届けしたいと考えています。今後も、スマート“ライフ”サイエンスという研究方針のもと、常識にとらわれない「新しい」価値を生みだしてまいります。
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