肌のバリア機能や保湿機能を向上させる成分の組み合わせを発見し、特許を取得 ~長年研究する「コラーゲン」と「薬用植物」の組み合せに新たな可能性~
研究開発 2023.09.07
新日本製薬 株式会社(本社:福岡市、代表取締役社長CEO:後藤孝洋)は、「コラーゲン特有のアミノ酸」と2006年から研究を続ける薬用植物の「カンゾウ」「ムラサキ」から抽出した成分を組み合わせることで、肌のバリア機能や保湿機能を向上させる効果があることを確認し、特許を取得いたしました。今後、化粧品へ活用するため、得た知見をもとに新しい原料の開発に取り組んでまいります。
【研究背景】
生体バリア機能が低下すると、肌や身体の老化を促進することが報告されています。当社は、お客さまを美しい肌へと導くために、肌悩みの原因となるバリア機能の低下を防ぎ、バリア機能を向上させることが重要だと考え長年研究開発に取り組んできました。今回は、肌のバリア機能を向上させる新しい技術の開発と、当社が力を入れている「コラーゲン」及び「薬用植物」の組み合わせによる新しい機能性の発見をめざし、研究を開始しました。
【研究結果】
- 化粧料全量を基準として、ヒドロキシプロリン 0.1%、アセチルヒドロキシプロリン 0.1%、カンゾウフラボノイド0.00025%配合で、肌バリア機能の向上と皮膚セラミド合成の促進に関わる遺伝子発現量が増加することを確認
- 化粧料全量を基準として、ヒドロキシプロリン 0.1%、アセチルヒドロキシプロリン 0.1%、シコンエキス0.01%配合で、保湿に関わる遺伝子発現量が増加することを確認
正常ヒト表皮角化細胞に、コラーゲン特有のアミノ酸である「ヒドロキシプロリン(HYP)」「アセチルヒドロキシプロリン(AHYP)」と、薬用植物カンゾウの根から抽出した成分「カンゾウフラボノイド」、薬用植物ムラサキの根から抽出した「シコンエキス」を添加し、肌のバリア機能及び保湿機能に関する遺伝子発現を検証した結果、上記の効果を確認しました。
【特許の概要】
登録番号 : 特許第7313755号
登録日 : 2023年7月14日
発明の名称 : 化粧品原料
【参考データ】
OCLN、CLDN1:皮膚の水分保持やバリア機能に関与するタイトジャンクションの形成に働くタンパク質。タイトジャンクションは表皮に存在し、隣り合う細胞同士を密着させ水分蒸散や外部刺激物の侵入などを防ぐ。
SMPD1:皮膚内でのセラミド合成関連酵素。
TGM1:表皮細胞の成熟の指標として用いられる酵素。表皮細胞の成熟がセラミド産生に大きく関与。
FLG:ヒトが持つ保湿成分である天然因子(NMF)の元となるタンパク質に関わる遺伝子。
【薬用植物カンゾウについて】
マメ科カンゾウ属の植物です。日本では、ウラルカンゾウとスペインカンゾウの2種が日本薬局方に収載されています。スペインカンゾウの根から抽出した成分「カンゾウフラボノイド」は、美白効果などが報告されています。当社は、独自開発したスペインカンゾウの新品種「新日本製薬GG01」から抽出したカンゾウフラボノイドを活用しています。
スペインカンゾウ 新品種「新日本製薬GG01」
【薬用植物ムラサキについて】
絶滅危惧種に指定されている希少な植物です。根の部分である「紫根」は、創傷治癒の促進作用や抗炎症作用などの機能があるため、漢方薬に用いられています。当社は、「紫根」の機能性がエイジングケアに期待できると考え、2006年から研究を開始し、栽培方法の確立、機能性・効果の確認、素材化を実現してきました。
当社は、パーパス『美と健康の「新しい」で、笑顔あふれる毎日をつくる。』のもと、常識にとらわれない「新しい」価値をお客さまにお届けするため、スマート“ライフ”サイエンスという研究方針を掲げています。特に、コラーゲンと絶滅危惧種の薬用植物ムラサキの研究に力を入れ、コラーゲンに関する特許を2件、ムラサキの栽培に関する特許を1件、紫根に関する特許を1件取得しています。今後も美と健康の領域で、お客さまのお悩みを解決するため、大学やパートナー企業と共に新素材の研究を推進してまいります。
新日本製薬の研究開発サイト: https://corporate.shinnihonseiyaku.co.jp/rd/
※ 当リリースは薬機法等諸法規に基づくものではありません。