ガバナンスへの取り組み
コーポレート・ガバナンス
新日本製薬は、経営の合理化を図るとともに、健全性・透明性及びコンプライアンスを高めることが長期的な企業価値向上につながると捉え、コーポレート・ガバナンスの強化を図りながら、経営環境の変化に迅速かつ柔軟に対応できる組織体制の構築に積極的に取り組んでいます。
コーポレート・ガバナンスの変遷
2016年 | 取締役会設置 |
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2018年 | リスクマネジメント・コンプライアンス委員会設置 監査役会設置 |
2019年 | 東京証券取引所マザーズに上場 |
2020年 | 指名報酬諮問委員会設置 東証証券取引市場第一部に市場変更 株式報酬制度導入 |
2021年 | 女性社外取締役選任 |
2022年 | 東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行 サステナビリティ委員会設置 |
2023年 | 監査等委員会設置会社への移行 補欠監査等委員候補選任 |
コーポレート・ガバナンス体制
当社は、取締役の職務執行の監査等を担う監査等委員を取締役会の構成員とすることにより、取締役会の監督機能をさらに強化し、より一層のコーポレート・ガバナンスの充実を図るとともに、経営の意思決定及び業務執行の迅速化により、更なる企業価値の向上を実現するため、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行しております。監査等委員会設置会社への移行に伴い、取締役会付議事項の見直しを行うことにより、経営の意思決定の迅速化を図るとともに、取締役会における経営方針・経営戦略の策定などについての議論を充実させ、中長期的な企業価値の向上に努めております。
取締役会
取締役会は、過半数を独立社外取締役とする合計7名で構成され、取締役会規定に基づき、会社の事業運営に関する重要事項、法令で定められた事項に関する意思決定を行っております。各事業年度の当初に決定した日時において、少なくとも3か月に1回定時取締役会を開催し、必要に応じて臨時取締役会を開催しております。
議長 | 代表取締役社長CEO |
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開催回数 | 10回 |
出席率 | 100% |
監査等委員会
監査等委員会は、3名全員が独立社外取締役で構成されており、ガバナンスのあり方とその運営状況を監視し、取締役の職務の執行を含む日常的活動の監査を行います。非常勤の監査等委員は、弁護士と公認会計士であり、それぞれの職業倫理の観点より経営監視を実施いたします。常勤の監査等委員は、監査計画及び規程に基づき、株主総会や取締役会のほか、経営戦略会議棟の重要な会議に出席し、必要に応じて意見陳述を行う等、常に取締役の業務執行を監視できる体制となっております。
議長 | 常勤監査役 |
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開催回数 | 14回 |
出席率 | 100% |
指名報酬諮問委員会
取締役会の任意の諮問機関である指名報酬諮問委員会は、指名委員会と報酬委員会の双方の機能を担っています。代表取締役社長CEOを委員長とし、社外取締役3名を含む5名で構成しています。原則として、年1回の開催としていますが、年度ごとに課題を設定し、必要に応じて臨時の委員会を開催しています。取締役・監査役の指名の方針及び選解任、取締役の報酬等に関する方針及び個人別の報酬等の内容、後継者育成計画、その他取締役会が必要と認めた諮問事項について審議し、審議の結果について取締役会に答申しています。
議長 | 代表取締役社長CEO |
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開催回数 | 5回 |
出席率 | 100% |
リスクマネジメント・コンプライアンス委員会
コーポレート・ガバナンス体制の一環として設置しているリスクマネジメント・コンプライアンス委員会は、代表取締役社長CEOを委員長とし、常勤取締役、執行役員、及び部長によって構成しています。原則として四半期に1回の開催としていますが、必要に応じて臨時の委員会を開催し、新日本製薬の全リスクの統括管理及びコンプライアンスや発生した具体的リスクに関する個別課題・対応についての協議・決定を行っています。また、役職員に対するコンプライアンス教育の計画・管理・実施等を行っています。
議長 | 代表取締役社長CEO |
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開催回数 | 9回 |
出席率 | 100% |
サステナビリティ委員会
サステナビリティ推進体制の強化のため設置しているサステナビリティ委員会は、代表取締役社長CEOを委員長とし、常勤取締役、執行役員によって構成され、サステナビリティに関わる重要課題に対する目標の策定、取り組みの進捗管理・監督、モニタリングを実施しています。また、協議事項は取締役会へ適宜報告しています。
議長 | 代表取締役社長CEO |
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開催回数 | 4回 |
出席率 | 100% |
取締役の実効性評価
当社は、取締役会の機能の向上を図ることを目的として、取締役会の実効性に関する分析・評価を実施しました。分析・評価においては、すべての取締役が参加し議論を行っております。
概要
- 実施期間:2024年9月
- 回答者 : 全取締役(8名)
- 方 法 : アンケートによる自己評価方式
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全取締役に対し、無記名による実効性評価アンケートを実施
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取締役が参加する会議にて、実効性評価アンケートの結果の概要を報告、結果の概要と今後の課題についての議論を実施
- 取締役会にて、取締役会の実効性の評価を確認
質問
- 取締役会の構成に関する質問(7問)
- 取締役会の運営に関する質問(9問)
- 取締役会の議題に関する質問(12問)
- 取締役会を支える体制に関する質問(8問)
評価
令和6年9月期の実効性評価アンケート結果より、全般的に「十分である」又は「適切である」との結論に至ったものの、(1)取締役会の構成(2)取締役会の運営(3)取締役会の議題(4)取締役会を支える体制、全ての項目において今後より一層精度の高い取締役会実施に向け、意見や提言がありました。
このような結果を踏まえ、当社では取締役会機能の更なる強化に向け、論点整理・ポイントを明確化した議案内容・時間配分の見直し等のさらなる工夫により、取締役会の実効性向上に向けた取り組みを継続的に行ってまいります。特に、取締役会の役割・責務を適切に果たすための議題設定、及び議論の充実に重点的に取り組んでまいります。
また、(1)取締役会の構成に関する質問では今後の事業展開に向け、社会情勢を踏まえた様々な取締役の体制強化が必要との意見もありました。これらの意見を踏まえ、後継者育成計画を推進することにより専門人財や執行役員の育成を行うことに加え、外部登用を活用することで一層の充実を図ってまいります。
上記の結果を総合的に勘案し、令和6年9月期の取締役会の実効性は適切に確保されていると考えております。
当社取締役会は、以上の課題への取り組みも含めて取締役会の役割・責務を果たし、実効性の更なる向上に取り組んでまいります。これにより、コーポレート・ガバナンスの更なる充実を図り、企業価値の持続的な向上をめざしてまいります。
役員報酬制度
新日本製薬の役員報酬制度は、企業価値の継続的な向上を図るため、短期的な視点のみならず中長期的な業績向上、企業価値の持続的な向上へのコミットメントを高める目的で設計されています。
役員報酬の基本方針
役員報酬は、職務執行の対価として支払う固定の金銭報酬、当該事業年度及び中長期の業績に連動した株式報酬、ならびに役員退職慰労金に代わる株式報酬によって構成しています。なお、株式報酬については、2020年12月23日開催の第32回定時株主総会において、制度導入に関する承認決議を得ています。また、当社役員の報酬について、2016年6月20日開催の第27回定時株主総会において、取締役の報酬限度額を年額2億円以内(当該株主総会終結時の員数は3名)、また監査役の報酬限度額を年額5,000万円以内(当該株主総会終結時の員数は1名)と決議しています。
取締役
業務執行取締役の報酬は金銭報酬及び株式報酬(パフォーマンス・シェア・ユニット制度及びリストリクテッド・ストック制度)で構成されています。その支給割合は、金銭報酬が75%程度、株式報酬が25%程度(業績連動報酬の支給が基準額の場合)となるよう設計しています。
社外取締役
社外取締役の報酬は金銭報酬のみで構成しています。
監査役
監査役の報酬は金銭報酬のみで構成しています。
報酬決定のプロセス
取締役の報酬は、取締役会の諮問機関である指名報酬諮問委員会において、各取締役の職務内容、貢献度、及び業績等を総合的に考慮し、同業・同規模他社と比較検討を行うなど審議した上で、その審議内容を取締役会に答申しています。同委員会の答申を受けて、取締役会において株主総会で決議された限度額の範囲内で決定しています。また、監査役の報酬は、株主総会で決議された限度額の範囲内で、監査役の協議により決定しています。
役員の報酬等の総額
当該事業年度における役員の報酬の総額等は以下の通りです。
役員区分 | 支給人数 | 金銭報酬 | 株式報酬 | 報酬等の総額 |
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取締役 | 3名 | 99百万円 | 8百万円 | 107百万円 |
社外取締役 | 3名 | 17百万円 | ー | 17百万円 |
監査役(うち社外) | 3(3)名 | 24(24)百万円 | ー | 24(24)百万円 |
リスクマネジメント・コンプライアンス
リスクマネジメント
新日本製薬は、リスクマネジメント基本方針のもと、当社が抱える多様なリスクを的確に把握し、その発生の可能性を低減すること、発生した場合の損失を最小化すること、早期復旧及び再発を防止することに努めています。
リスク評価
事業への影響度と発生頻度の2軸で重要リスクを評価するマトリックスを作成し、点数付けをして優先順位を付け「重要リスク」を決定しています。その上でリスクに対応する主幹部署を決定し、関係部署も含めてチーム編成を行い対応しています。重要リスクは期首のリスクマネジメント・コンプライアンス委員会にて見直しを行い、四半期に1回程度進捗状況を確認しています。 委員会には委員長である代表取締役社長CEO、常勤取締役、執行役員及び部長が参加しています。
コンプライアンス
新日本製薬は、経営理念及び行動憲章に則り、法令・規則や社内規程を遵守するとともに、お客さま、お取引先、社員、株主、地域社会等のすべての関係者から信頼される企業をめざしています。コンプライアンス基本方針のもと、役員およびすべての従業員がコンプライアンスの意義をよく理解し、これを遵守した企業活動を行っています。また、方針及び管理体制の評価と見直しを継続的に行うことで、コンプライアンスの推進・改善・向上に努めています。
コンプライアンス相談窓口(内部通報制度)
コンプライアンス違反などに関する社内相談窓口として、コンプライアンス相談窓口(法務部門)を設けています。また、社内相談窓口と会社を経由せず直接相談・申告ができる社外相談窓口(当社顧問法律事務所)を設けており、社外相談窓口は匿名でも通報できるようになっています。また、通報者の保護を目的とする公益通報者保護規程を定め、相談者・通報者が不利益な扱いを受けることがないよう事後調査を行うなど、適切な対応を行っています。
内部通報・相談件数 | 1件 |
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※重大な法令違反に関する通報はありませんでした。
コンプライアンス推進及び公益社通報体制
情報セキュリティ/個人情報保護
新日本製薬は自社の保有する約600万件の個人情報をはじめ、研究や商品開発に関わる機密情報を適切に管理・保護することを重要な経営課題の一つと位置付け、情報セキュリティのガバナンス強化、社員の啓発に重点的に取り組んでいます。
情報セキュリティポリシー
新日本製薬は、経営理念に基づき、お客さまをはじめ社会全体の信頼に応えるため、情報セキュリティの三大要件である機密性、完全性、可用性の確保・向上に努め、情報セキュリティポリシーを定め、これを厳守しています。
- 法令遵守
- 情報セキュリティ管理体制の確立
- 情報セキュリティ規程の制定
- 情報セキュリティ対策の実施
- 情報セキュリティ教育・訓練の実施
- 情報セキュリティ対策実施状況の評価及び継続的改善
情報セキュリティリテラシー向上のための取り組み
人的な原因による重大インシデントの発生を防ぐため、社員の情報セキュリティリテラシー向上に努めています。年に1回全社員を対象とした情報セキュリティ及び個人情報保護に関するe-ラーニングの実施や社内イントラネット上で継続的な啓発を実施しています。
情報セキュリティe-ラーニング受講率 | 100% |
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情報セキュリティ推進体制
個人情報保護の徹底
新日本製薬は、お客さまの個人情報をはじめ、当社に関わるすべてのステークホルダーから受託した個人情報を安全かつ適正に管理することを最重要事項と考え、プライバシーポリシーを定めています。また、個人情報保護規程に沿った研修・教育訓練を実施し、個人情報保護の徹底に努めています。
個人情報保護に関するe-ラーニング受講率
個人情報保護e-ラーニング受講率 | 100% |
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プライバシーマークの取得
ステークホルダーエンゲージメント
主なステークホルダーとのコミュニケーション
主なステークホルダー | 主な対話・コミュニケーション | 頻度 |
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お客さま |
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日常的 日常的 常時 日常的 随時 |
株主・投資家 |
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1回/年 定期的 随時 随時 随時 随時 |
調達取引先 |
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日常的 随時 定期的 定期的 |
社員 |
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1回/年 随時 1回/月 随時 1回/年 随時 随時 |
地域社会 |
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随時 随時 |
NPO・NGO |
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随時 |
政府・自治体・業界・学会 |
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随時 随時 |
お客さまとの対話
顧客アンケート
新日本製薬では、ご注文いただいたお客さまへ商品をお届けする際に同梱する納品書でアンケートを実施しています。アンケート結果は、商品開発をはじめ販促活動や広告宣伝活動など事業活動に活かしています。
VOC※の全社共有
日常的にコールセンターに集まるお客さまの声のほか、定期顧客向け会報誌へ寄せられるメッセージは、イントラネット上や社内掲示等で全社に共有し、商品の改善やサービスの向上に反映しています。
※VOC : Voice of customerの略
株主・投資家との対話
決算説明会 ・ 個別取材 ・ スモールミーティング
株主総会での対話のほか株主・投資家の皆さまに向けた四半期ごとの決算説明会の開催やフォローアップのための個別取材やスモールミーティングに随時対応しています。
従業員との対話
経営方針発表会
1年に1度、事業年度の始まりに当該年度の経営戦略や実行計画を経営層および部門責任者より社員一人ひとりに直接届ける機会として、MSC (Midterm Strategy Conference) と題した発表の場を設けています。発表後は全社員を対象としたアンケートを実施し、アンケート結果は経営層へ報告がなされるとともに、より良いコミュニケーションがとれるよう、会の運営等に反映しています。
地域社会との対話
社会貢献活動/飲酒運転撲滅運動
新日本製薬は、パーパスにある”笑顔あふれる毎日”の実現に向け、地域に笑顔を創出する社会貢献活動に力を入れています。継続して実施している社会貢献活動の一つに、飲酒運転撲滅運動があります。福岡県の定める飲酒運転撲滅週間に合わせ、NPO法人はぁとスペース(福岡市、理事長 : 山本美也子氏)と共に、博多高等学校(福岡市)で飲酒運転撲滅イベントを実施しました。